香象承伝04「Delosperma cooperi 03」

◆Delosperma とLampranthus
春、ガーデンショップでは多種類の草花が美花を掲げて購買意欲を駆り立てます。そのなかでひときわ鮮烈な色彩のメセンの仲間はLampranthus aureus 金烏菊(きんうぎく)です。その色はまさに眩しいばかりに輝く黄金色です。またLampranthus coccineusは学名が示す通り鮮血の様な真っ赤です。そしてLampranthus roseus 麗景菊(れいけいぎく)は小気味よい鮮桃色で、多くはこの3種がセットで販売されています。


時々、同じ売り場にあるDelosperma cooperiとの違いを比べてみます。二つの属の見分け方については、ランプランツス属の葉の表面は平滑・青緑色でやや帯粉気味です。対してデロスペルマ属の葉、及び茎の表面には微小な水疱状突起が全面にあり、これは乳頭状突起と言われ、触ると微かにザラザラした触感があるのが特徴です。海外ではこれを氷の結晶とみなし、他属もこれに準じた特徴を持つものを「アイスプランツ」の総称で呼ぶこともあります。
植物形状としてはデロスペルマ属の茎は低く匍匐あるいは斜上し、カーペット状または団塊状で茎は柔らかく多肉質です。ランプランツス属は一年生部分の茎は軟弱ですが、次年度は木質化して年ごとに伸び、高さ30cmかそれ以上に立ち上がり大きな藪状に繁茂します。花は一般に大きく色彩も派手で、大面積に群生すれば驚異的風景になります。


これらランプランツスは凍結すれば枯死するのが普通で、デロスペルマはいくつかの限られた種が耐寒性メセンと言えますがその数は未知です。耐寒性メセンと言う表現については、「乾いている軒下等の地面でマイナス10℃の気温に耐える」を基準に提案します。全メセン中耐寒性のある女仙、しかも多属・多種にわたるので更なる研究が求められます。
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タイトルは「こうぞうしょうでん」と読みます
長野在住
多肉含めて植物全般「今昔」いろいろを語ります
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