多肉植物とは

多肉植物(Succulent plants)とは、葉や茎や根が肥大化・多肉質化して水分を蓄えられるよう進化した植物の総称です。植物分類学上の正式な名称ではなく、キクやユリの仲間からソテツなど裸子植物まで50種以上の「科」が含まれています。世界中のおもに乾燥地域に生育・分布し、 特にアフリカ南部(南アフリカ共和国、ナミビア)や北米南部(メキシコ)、マダガスカル島などに多く自生しています。

多肉植物は不思議な美しさをたたえた植物で、その姿態・色彩など千差万別、およそ想像を絶する奇態ぞろいです。勇壮豪快なアガベ・アロエ・ユーフォルビアの仲間、花と見間違えるようなロゼットのエケベリアやアエオニウム。光を透かす窓が美しいハオルシア、石に擬態し「生きる宝石」と呼ばれるメセン類など。漆黒・純白の葉をもつもの、目もあざむく美花から可憐な山草まで、いずれも砂漠の乾きに耐えて生命の炎を燃やす、まさに自然の芸術品です。
サボテンとの違い
サボテンも広い意味では多肉植物の一種です。トゲの根元に「刺座(しざ、とげざ)」という器官を持ち、植物分類学上の「サボテン科(Cactacea)」に属する植物を区分して呼んでいます。南アメリカと中央アメリカを中心に自生し、2000種以上が含まれる大きなグループです。
