香象承伝04「Delosperma cooperi 02」
◆耐寒性松葉菊?
2021 年現在、このDelosperma cooperi種に対して「耐寒松葉菊」の名称を見かけますが不適当で、後日混乱を招きます。松葉菊はLampranthus spectabilis (Haw.) N.E.Br.です。または広義のマツバギク属(Lampranthus)の総称です。本属Delosperma N.E.Br.は別属ですから、正しくは「耐寒性メセン、Delosperma cooperi 」にすべきと提案します。
次の各種も小諸で越冬確認済みです。De. ashtonii 花長谷(はなはせ)、De. Aberdeenense 花飛鳥(はなあすか)、De. caroliense 花御室(はなおむろ)、De. Congestum
De. cooperi cf. dwarf 姫嵐山(ひめらんざん)
De. hirtum 花乙女(はなおとめ)、De. nubigenum 黄金の座(こがねのざ)、De. sutherlandii 沙坐蘭(さざらん)、De. floribundum 。
他にも小諸で確認済みの耐寒性メセンに Malephora N.E.Br.があり、Malehora curassa 宝華(ほうか)、Malephora crocea 花園(はなぞの)、Malephora rutea 岩山吹(いわやまぶき)などを擁します。更に南アフリカ中部原産のMalephora herrei (Schwantes) Schwantes は冬期間気温が零下に下がる地域の産で寒さに非常に耐性があり、冬の気温が低い地域の庭園に適すると思われます。
Aizooaceae(ハマミズナ科)は膨大な種を擁する科で一説では145属約1800種もあり、単にメセンと言えばこの1800種を意味しますが、「耐寒性メセン」がその中に何種あるのかは未知数です。日本ではリトープスやコノフィツム、及びこれに準じた高度多肉球形メセンの研究・栽培は世界的に有名です。しかし球形メセンに比べ、草物・花物と称されるグループは全メセン中4分の3を占める属種を擁しながらもその多くは未渡来種であるため、栽培・研究に至らないのが現状です。
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タイトルは「こうぞうしょうでん」と読みます
長野在住
多肉含めて植物全般「今昔」いろいろを語ります
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