香象承伝07「Ceiba speciosa 01」
◆徳利木綿 Ceiba speciosa (A.St.-Hil.) Ravenna
(sny. Chorisia speciosa A.St.-Hil.)1977年、独逸Koehresより種子購入し播種。
当時、正木五郎先生と海外種子会社から種子を購入し蒔くことに没頭していました。特にこのドイツ・ケーレス社にはよく発注し、送金伝票に書きこむ時はスペルを間違えないよう注意しました。送金は郵便局の窓口で外国為替の用紙をもらい所定の事項を手書きで記入するのですがスペルを誤記、3枚つづりのカーボン用紙なので書き損じは訂正できません。窓口係のお姉さんに再度新しい用紙をオズオズと依頼すると嫌な顔もせず、難しいことやるのね。と言いながら出してくれました。おかげで後日、英国のドウグローランドシードに送金するため私が彼女の窓口に立つと「外国送金伝票ですね。」とにこやかに用紙を出してくれるようになり優越感に浸りました。
原産はアルゼンチンの北東、ボリビアの東、パラグアイ、ウルグアイ、ブラジル南部で、樹高はマックスで25m以上にもなります。今では世界の亜熱帯、熱帯地域では盛んに植えられています。幹が瓶状で、普通下の3分の1で膨らみ、胴回りで最大2mになるボトルツリーの代表種です。幹には野生動物が木に登るのを妨ぐ厚くて鋭い円錐形の刺が装備されています。この棘がトレードマークなのですが昔、我が家の子供たちに怪我があってはと鎌の柄でこの棘をコソギ落としましたところ、後日来訪した児玉永吉氏に「この棘に価値があるのに!」と叱責されました。若い幹の表面は高いクロロフィル含有量のために緑色ですが、年齢とともに灰色に変わります。枝は水平に出る傾向があり、葉は5~7枚の手の平状。花は5つの花弁がピンクで一見ハイビスカスの花に似る。直径10~15cmで花期は2月から5月です。ガーデンの徳利木綿は十数年前の12月末に数輪枝先に咲きましたが撮影時、カメラ操作を間違えて撮影に失敗しました。以後は樹に対して鉢が小さく、用土の制約で着蕾してくれません。
◆徳利木綿年表その1
- 1980/07 樹齢3
Corisia speciosa 1978年独逸Koehresよりの種子実生。数本あったが交換会で放出しこれだけ残した。 - 1991/08 樹齢14
8号鉢植高さ2m直径根元で7cm。幹の棘が危険につき鎌の柄でコキ落とすも児玉氏に何で!と叱責される。
- 2000/08 樹齢23
10号陶器鉢植え、先端にコウモリランを吊り下げる。風で倒れるので根元杭を打ち固定。来訪絶賛した児玉永吉氏撮影。 - 2014/02 樹齢37
停車場ガーデンショップ内で多肉植物フェアディスプレイとして展示。高さ3.5m根元で直径18cm、数輪開花したが撮影失敗しました。
※2022/2/7追記です。このブログを見た停車場ガーデンスタッフより「私が撮ったものでよかったら…」と写真の提供をいただきました。ガーデン創立以来のベテランで、鉢の育成を見守ってくださっていた方です。ありがとうございます!
この記事を書いた人
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タイトルは「こうぞうしょうでん」と読みます
長野在住
多肉含めて植物全般「今昔」いろいろを語ります
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