香象承伝02「天女類について」
Titanopsisは昭和初期には天女属とも称された、天女の羽衣を連想する如く葉の優美なウエーブで知られた高級種です。日本では美しい和名で呼ばれますが、Titanopsisの語源は古代ギリシャ語の「titanos」(石灰岩)と「opsis」(~に似た)で、欧米ではその語源の通り此の「藤壺のような隆起」が連座するTitanopsis Calcareaの葉を‘Concrete Leaf’(コンクリートの葉)と称しており、したがって石灰岩が育成に有効であるとも言われ表土に敷いたものです。
Titanopsisはアフリカ南部の3つの別々の地域(南ナミビア, ナミビアの南東の国境周辺地域、南アフリカの旧ケープ州とオレンジフリー州の間にまたがるより広い地域)に分布しており、これはそれぞれの種ごとに雨季や降雨量が異なる環境にあることを表しています。
AloinopsisはTitanopsisより遅れて戦後導入されましたが、当時この2属は天女属と同様とされ種類も詳細が知れず明確な線が引けないまま、ひとくくりに天女類と称されていました。現在2属間に「天女」のつく和名が多々あるのはこのためです。
Aloinopsis種はかなり大きな結節根系(Caudex)を持ち、マニアはそのルックスに魅了されます。正木先生録では写真の通り、天女雲Aloinopsis malherbeiについて、ヤコブセン教本(H.Jacobsen著 A Handbook of Succulent Plants 1954)でさえ絶賛しているとの記述があります。
時代が下ってこれら天女類の中より数種(諸説あり)が近年新属Deilantheに移動しています。
・Deilanthe hilmarii (L.Bolus) H.E.K.Hartmann
・Deilanthe peersii (L.Bolus) N.E.Br.
・Deilanthe thudichumii (L.Bolus) S.A.Hammer
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タイトルは「こうぞうしょうでん」と読みます
長野在住
多肉含めて植物全般「今昔」いろいろを語ります
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