香象承伝11「空中植物 02」

Tillandsia xerographicaの管理
吊り下げには縦45cm横21cm厚さ3cmの松の厚板に、直径3cmの貫通した穴を開けたものを使用しています。市販の株は丸く身を縮めていますから葉を折らないように注意し、根元の球状の先端部分を先ほどの穴にすっぽり入れ、ステンレスの極細針金でしっかり固定します。この時根がないのが普通ですが、数本の根がある場合は根を穴の内側に入れて固定します。留め方のコツは、ワイヤーを葉の隙間、球根のように丸くなった根本まで平行に割り込ませ、葉の基部でUピン状に折りかえします。これを一株につき3本差し込み、両端6カ所のワイヤーを板の裏側にビスで固定して完了です。一年もすれば発根し、まず穴の内面に張り付き、年を経るごとに新根を外へと伸ばし松板の表面や裏面に頑丈に吸着します。

こうして板に付けたものを、冬は温室の東壁の2mの高さに吊り下げて、月に一度だけ潅水します。霜の降らない時期は戸外に出しますが、さすがに梅雨期には軒下に退避します。十分な太陽と風に当てるために、吊るす高さは2mは必要です。本種を始めとする銀葉系のものは直射光線に当てて育てますが、盛夏はやや軟光線が良く午後の陽を避ける家東側塀に吊り下げます。
xerographicaは真夏の太陽に曝されると淡いピンク色に変わり、葉は強く内曲しボール状に固まり、遅れを取った呑気な葉はその葉先をクルクルと巻いてすまし顔です。葉の基部はスプーン状に変形し、この中が降水時の貯水タンクになり、灼熱の太陽光で表面温度が上がるのを蒸散熱で乗り越えるのです。この時期は他の植物の潅水時にロゼットの上からシャワーのように潅水し、葉の貯水タンクから溢れるまで十分に浴びせます。ただし我が長野県小諸は標高700mの高原ですから、御地の夏の最高気温と格段の差があることをご留意ください。昼間は30℃を超えることもありますが、朝晩は気温が下がり、その上高原特有の低湿度です。本属は此の気候風土が好条件なのです。

開花すると基部に小株を複数発生し、更に数年栽培すると直径50cm以上の巨大な銀のボールとなります。もちろん取り付けた松板にしっかり着生し、絶対に剥がれて落下はしません。
Tillandsia xerographicaを含めた銀葉系はわが家の黒板塀と対比が良く白さが映えるので人目を引くようです。家の前を時たま通る観光客が、玄関軒先に下がる蝙蝠ランの巨大グリーンボールと、この銀のボールとを見比べて「あれはなんじゃろう!?」と驚くのを観るのが最高で、飛び出して行ってあれやこれやと説明したい心を抑えるのに苦労します。

この記事を書いた人

七宝樹
タイトルは「こうぞうしょうでん」と読みます
長野在住
多肉含めて植物全般「今昔」いろいろを語ります

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