香象承伝「緑塔」03

Cr.pyramidarisCr.quadrangularis
Cr. Pyramidalis「緑塔」は鉛筆より太く、葉先が鋭角なので上から見て稜線はシビアで稜の幅も狭く、分枝生育すると直立できず倒伏するのが特徴ですが、現在、一見して緑塔では?と思われる植物がCr. pyramidarisCr. quadrangularisの2つの学名で流通しています。

Crassula quadrangularis (旧:超大型緑塔改め)巨塔(きょとう)
Cr. quadrangularisは、Cr. pyramidalis種に似た大型Crassula低木です。多肉質の四角形で枝分かれした茎、薄く小さな濃い緑色の葉を持ち、茎にしっかりと埋め込まれたような姿が特徴です。葉は非常に短く4-6mmの長さで、茎に4つの肋骨を作成する形で配置されています。それが小種名「quadrangularis」(四つの稜のある、の意)の由来です。Cr. pyramidalisのSynonymsとされていますが、元々はpyramidarisの自然分布の領域の中でわずかに異なる形状の自然変異種が発生し、それらがさらにCr. quadrangularisのような複数の交配種を産み出したのではと言われています。その形態にはそれぞれ微妙な違いがあり、個々の異なる植物として販売されるうちに厳密な種別が出来なくなってしまったようです。

◆可愛らしい緑塔などの多肉植物栽培ポイント
日本での栽培の最大の難関は夏の高温多湿です。私の栽培場は信州の小諸で標高は620m、最高気温は夏の20日間で30度を超えますが、朝は20度を下回ります。この高気温の時期に、これらの小型多肉類の管理を理解・習得して接することができるかが大切です。短気で気難しがり屋なので以下の注意を守ってください。

種類にもよりますが、私は緑塔グループは早春から日射のある五月晴れの間で潅水を徐々に減らし、天気予報があと数日で梅雨入りと報じたところで、各種類の「わがまま多肉」を全員集合させます。気温が下がる梅雨時は暑さが苦手な植物にとって喜ぶべきでしょうが、ここには大きな「落とし穴」が潜んでいるのです。雨の間に小さな「彼女」たちは、心地よい気温と日焼けを気にする夏の太陽はお休みで好機到来!とばかりに生育します。主人は見事に生育する植物を見て、「ちっとも心配なし」と勘違いして気楽に潅水します。ここが落とし穴なのです。 やがて梅雨が明けると心地良かった温室はサウナの様な焦熱地獄に豹変、慌てた主人は日除けの「寒冷紗」を広げ、「一件落着」と安堵してしまいます。が、数日過ぎてみたらばなんと皆さん全員ぐったり、そのまま昇天してしまいました。なぜ棚に並んで元気にしていた全員が集団で体調を崩したのか。抜いて観ると根が茹でた如くやわらかく生気が無く、とても助からないことは一目瞭然です。

このような悲劇に逢わせないため、もう一度フィルムを梅雨入り前まで巻き戻してみます。
天気予報があと数日で梅雨入りと報じたら潅水は中止、「わがまま多肉」は全員集合です。場所は温室など施設内なら室内窓に近い通風の良いところで、鉢の間隔をあけて置きます。または家の東側の雨のかからない軒下で地上から60cmの棚上です。私の場合は温室の西面は出入りのガラスドアを24時間開放します。日光を通すポリカーボネート壁ですが、築20年経過しているので光線透過率は半分です。したがって遮光はしません。南面は道路に面していますからアルミサッシのはめ殺し、北面はガラスサッシの引違いなので台風以外は開放です。東面は高さ1,200の腰掛け窓でこちらも昼夜開放ですが、ここには近所のドラ猫通行止め用に30%の寒冷紗を全面に張っています。温室四方の面の75%は開放ということになります。これがポイントで日除けで気温を下げるのではなく、「空気の流通」で下げるのです。極小クラスラの緑塔、玉椿、月光、はじめ、矮小女仙の姫天女、親指姫、霊石、早乙女、石鈴玉、累刃、天女類、翼、ディンテランサス各種、極小コノフィツムなどが西日を避け風通しの良いこの場所に避難します。日除けはしません。潅水は鉢の底部が完全に乾いてから、「中村式瞬間底面潅水」方式で。

この記事を書いた人

七宝樹
タイトルは「こうぞうしょうでん」と読みます
長野在住
多肉含めて植物全般「今昔」いろいろを語ります

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